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autobiography.
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 私たちは、下のフロアを見下ろしながら空いている席を探した。リズムを刻んだ、ジャンルの解析不能な音楽の音量が大きすぎて、いつもより大きな声で顔を近づけてしゃべらなければいけなかった。時間が経つにつれ、会場のボルテージは次第に高揚していっているのがわかる。ステージ付近には、ギター、サックス、ノートパソコンや見慣れない楽器が息をひそめるように配置されていて、丁寧なお辞儀をしているかのように凛としたようすである。この待ち時間がなんとも奇妙な雰囲気を作り出す。先の居酒屋で感じた雰囲気とはまた別の、熱気を帯びた、体中にまとわりつくかのようなそんな雰囲気だ。この世の興奮をかき集め、栓に蓋をしたかのような圧迫感。夢に出てきたキップの装置がまた頭を過る。さしずめこの雰囲気、熱気、情動、そういったものが最上部にあり、私たち人間が固体として中座しているのだろう。もしライブが始まれば気体である興奮と熱気が、固体である私たち観衆と混ざり合い、新たなカテゴリーを孕んだ統一性空間ができあがるだろう。今まさに、変わり目の線上にいる。 PR 「巴、来てくれたんだ。」
「Japcore」
高架下にひっそりとあるライブハウス。道中巴と何を話したのか覚えていない。きっとそのデザイン科の友達の話だろう。私は傘とぶつかりあってはじける、雨の音を終始聞いていた。バサバタ、バサバタ。少し肌寒くなってきたところで巴が、着いたよ、と言った。ライブハウスの外は開演を前に外で一服煙草を吸っている、奇抜な恰好の人種が支配していた ああ、巴。脈打つ情動が私の背中を押す。
「みなさん、シンデレラご到着したところで乾杯といきますか。
粋なみなさん、お手持ちのグラスをMAXで飲み干しましょう。 あっ、わたくし林と申します。どうぞよろしく~。乾杯!」 まるでこの後の情事を期待しているかのようにビールを食前酒として飲み干す。 こいつらの心情を今デッサンしたら、きっとリアルに描けるだろうに。 … 彼氏いてんの? …いない 趣味は …人間観察 …意味のない会話 …巴は楽しそうだ …手あかがつくぐらいのスキンシップ …ウーロン茶、氷なし …高笑いのバックミュージック …ああ、セザンヌ …野放図な蔓延 …見栄坊 …スノピズム …御恩と奉公 しだいに酩酊状態となっていった。 素面はわたしだけ。 乱痴気騒ぎとまではいかないが、舵を失った社交性は酔いの波に呑まれ、都合のいい雰囲気が漏えいしだしていた。 |
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